事業再構築補助金に採択される方法【認定支援機関の選定がキモ】

事業再構築補助金に応募してみたのだけれども、採択されずに終わってしまった。
第6次以降の公募に応募して何とかこの補助金を獲得して、新事業を軌道に乗せて自社の事業の再構築を図りたいのだけれども、どうも今サポートをお願いしている認定支援機関では力不足のような気がしてならない。

このようなお悩みをお持ちの、事業再構築補助金の獲得を目指している経営者の方はとても多いように思われます。

事業再構築補助金とは、新型コロナウイルス感染症の影響で現在の事業が多大なる影響を受けている企業が、新たな時代のニーズに対応するために思い切った事業の再構築をおこなうことを支援するために設けられた補助金をいい、対象者は、中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合等になります。
令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円、令和3年度補正予算で6,123億円が計上され、国の中小企業支援の目玉となる制度となっています。

この記事を読むことで、どのような認定支援機関に計画策定のサポートを依頼して、どんな計画書を策定すればよいのかが理解でき、今後まだ数回の公募が予定されている事業再構築補助金において採択される確率がぐんと上がります。

弊社では、第4回目の公募で採択されなかった経営者の方、第6回目の公募に向け準備中の方からの相談を受け付けておりますので、事業再構築補助金の採択の確度を上げたい方はご相談ください。

大阪、京都、兵庫を中心に事業再構築補助金の採択のための事業計画書策定のサポートを行っておりますが、全国どこからでも相談・助言・計画策定補助等のコンサルティング・サービスには応じておりますので、お気軽にお問い合わせください。弊社は、着手金10万円、成功報酬は補助額の7%でお受けしております。

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本記事は中堅・中小企業の事業再生に取り組んで20年以上、200社超の再生案件に関与して、マーケティングと管理会計と組織再編の力で再生へと導いてきた、企業再生のプロフェッショナルである公認会計士が書きました。

事業再構築補助金に採択されるために、最も大切なこと

事業再構築補助金に採択されるために、最も大切なこと

認定支援機関の選定

事業再構築補助金に採択されるためには、認定支援機関の選定がとても重要になります。

「認定支援機関に登録されている士業等の先生であれば、誰もが同じ能力と経験をお持ちだろう。したがって、どの認定支援機関の先生に計画策定のサポートを依頼しても大差ないだろう。」と大きな錯覚をしていらっしゃる経営者の方はとても多いように思われます。
なにせ、認定支援機関は国が経営のサポート等に関して能力があると認定した機関なのですから。

ところが、実態は大きく異なります。

認定支援機関の多くは税理士であり、その他にも中小企業診断士や独立会計士、金融機関、その他のコンサルタント等が登録を行っています。

あまり知られていませんが、認定支援機関という制度は、税理士業界が自分たちの職域を広げるために国に申し立てを行って出来上がった制度なのですが、そもそもその税理士には「経営に関するアドバイスを行う前提となる知識」が備わっていません。それは一般の会計士、弁護士にも言えることです。

税理士は税法の専門家であり、公認会計士は会計と監査の専門家であり、弁護士は法律に関する専門家であって、経営に関する専門家などではないのです。
そんなことは、こういった資格の資格試験の科目を見れば一目瞭然であり、マーケティング(デジタル・マーケティング含む)や戦略論やオペレーション理論に関する試験科目がないことからも簡単に想定できます。

資格試験に合格後、こういった経営に必要な知識の習得に努めている士業はほぼいませんので、認定支援機関に登録しているからと言って、何か特別な経営に関する知識を身に付けているわけではないのです。

したがって、そういった経営に関するマーケティングや戦略論の知識を欠いたまま、今回の事業再構築補助金のような本格的な事業計画書の策定を求められる場合には、ほぼ歯が立たないと考えたほうが無難です。

今回の事業再構築補助金に応募して採択されるためには、認定支援機関のサポートを必須としていますので、認定支援機関の中から、マーケティングや戦略論に精通していて、ロジカルに計画書の策定を行える専門のコンサルタントを選ぶことが、まずはとても重要だということになります。

認定支援機関については、下記の記事を参考にされてください。

その新事業は本当にキャッシュを生み出すのか?

周りの認定支援機関の士業の先生方の事業再構築補助金に対するサポートを見ていると、その多くは補助金に採択されることに必死で、採択され補助金の交付を受けた後に本当にその事業がキャッシュを生み出すのか、つまりは事業として本当に成り立っていくのかという視点が極めて希薄であるように見受けられます。

認定支援機関からすれば、事業再構築補助金に採択されることでクライアントにも喜んで頂けて、良い仕事ができてよかったと安心される気持ちもわからないではないですが、そもそもその事業がビジネスとして成立しないことには何ら意味がないことを理解している認定支援機関があまりにも少ないように思います。

また、事業再構築補助金は全額補助の補助金ではなく、概ね補助率が3分の2であって、残りの3分の1は自己調達資金で賄わねばなりません。
多くの中小企業は、3分の1を自己資金で賄えないことから、新たに借入を起こして銀行から資金調達を行う必要があります。

つまり、事業再構築補助金を利用して開始した新事業がうまくいかない場合には、その借入部分が従来の事業にとって大きな負担となることになって、事業再構築を企図していたにも関わらず、本業にまで悪い影響が出てしまったというケースも、今後結構な割合で出てくるような気がしてなりません。

従って、事業再構築計画を様式に従って策定するだけでなく、その事業そのものにまで深くコミットして、ビジネスの市場性、収益性等々をできるだけロジカルに検討して、高い確度で成功するであろうという確信を持てるまで、経営者の考えたビジネス・アイデアを揉み込んで差し上げる必要があるのです。

こういった検討までできる認定支援機関は全国でもあまりないであろうということは、先に書いた認定支援機関の基本的資質からもご理解いただけるでしょう。

事業再構築補助金に採択されて、逆に会社全体のキャッシュフローが悪化したというような漫画のような結果を招かないように、認定支援機関の選定はしっかり行うべきなのです。

事業再構築補助金の採択のポイント

事業再構築補助金の採択のポイント事業再構築補助金に応募して採択されるためには、事業計画策定のサポートを依頼する認定支援機関の選定を的確に行うことが、まずは重要であるということは先にお伝えしたとおりです。

それ以外にも、採択されるためのポイントはいくつかありますので、いかに説明しておきます。

形式的要件を満たすこと

以下は、公表された第1回から第4回まで事業再構築補助金の採択結果です。

 

事業再構築補助金採択結果

(出典:事業再構築補助金事務局)

ここで、表中のB:申請件数とは、A:応募件数のうち書類等の不備がなく、申請要件を形式的に満たした件数を指しています。
この表からわかるように、第4回を除き、書類不備等の形式的な要件を満たさなかったものが毎回全体の10%前後も存在していたことには驚きです。

たしかに、事業再構築補助金の公募要領はA433ページもあって、ほとんどが文字で埋め尽くされており、お世辞にもわかりやすい文章だと言えない代物なので、こういった資料に慣れていない経営者の方や、サポートする立場にある認定支援機関の方々には、読解するにはなかなかハードルの高い資料であることは確かです。

また、緊急性の高い補助金であったことも影響をして、提出するまでに十分に申請要件を確認して準備することができなかった方々もおられることと思います。

しかし、提出書類等の不備等という形式的な問題で計画書の内容の吟味を行ってもらえなかったとしたら、それは、とてもとても残念なことです。

最終的には経営者が提出資料を準備・確認することは言うまでもないのですが、認定支援機関としても、事業計画策定の助言を行っている立場なのですから、形式的な要件の充足を的確にサポートするべきでしょう。

形式的要件を満たすことなどは、しっかり確認すれば難しい話ではないので、こんなところで自社の将来を放棄してしまうことのないように細心の注意を払って書類の準備をしましょう。

採点者は誰なのかを意識すること

事業再構築補助金の採択は誰が実施しているのかということについては、案外スルーされがちなようですが、採択率を上げようと思うのであれば、どのような資質を持った方が採点にあたっているのかを知ることは、極めて重要なポイントになります。

事業再構築補助金に採択してもらうために重要な鍵を握るのがその採点者ですが、実は、採点者の多くは中小企業診断士の先生方です。
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言等のコンサルティング・サービスを提供するために、法律上の国家資格を得た専門家です。

そして、事業再構築補助金の中小企業診断士の先生方がどのような思考回路を持って採点にあたっているかを想像し、その思考回路(ビジネスの見方、捉え方)に寄り添うように計画書をロジカルに記載することがとても大切になります。

採点者である中小企業診断士の先生方が理解できないようなロジックで計画書を書き上げたとしても、果たしてその事業が本当にうまくいくのかどうかを、採点者である中小企業診断士の先生方が判定することが難しくなってしまうからです。

中小企業診断士の先生方は、「現状分析をしっかり行った上で、その企業の強みと弱みを特に重視して、企業の成長戦略のアドバイスを行うこと」を主な業務とされています。

したがって、彼らが特に重視する「現状分析」と「強み・弱み」は特に明快にロジカルに記述すること、さらに、その「強み」をベースにした事業戦略を構築し、ロジカルに新事業の戦略の因果を説明することが極めて重要になってきます。
つまりは、自社の「強み」を活かして、その強みの源泉となる経営資源等を活用しながら、新しい事業に取り組むというロジックが求められるということです。

現在の「強み」を無視して、自社の経営資源とは全くシナジーの見込めない新事業については、中小企業診断士の先生方の思考ロジックからすれば、事業の成功の確度に疑問符を持たざるを得ず、したがって、採点において点数が付きにくいと思ったほうが宜しいかと思います。

一方で、ビジネスにおいては、「強み」に拘泥することが必ずしも正解であるとは限りません。
時には、自社の「強み」を切り捨ててまで、新しい経営資源の蓄積を実施し新事業に取り組む必要があるケースもあるのですが、「採択されやすい事業計画書」という点では、今回の事業再構築補助金においては、「強み」を重視してそのシナジー効果を享受できる新事業を計画することが大切なのです。

別の視点で言うと、今回の事業再構築補助金が採択された企業者の今後の行方は定期的に調査されて、その結果も把握されることとなりますので、国民の税金が無駄に費消されただけという結果は中小企業庁も避けたいはずなので、ある程度確度の高い事業案件が選好されやすく、それが、「強み」を活かしたシナジー効果の期待できる新事業への取り組みが採択されやすいということでもあるのです。

また、業界の今後の趨勢に関する環境分析も彼らの得意とするところなので、自社の現在の事業の環境分析、新しく取り組む事業の環境分析をしっかり記載すること、それと事業戦略との関連性を明確にすることなども重要なポイントになります。

もしも外部環境分析を実施した結果、「機会」にも乗じることができることが判明した場合には、「強みX機会」という最強の視点で事業計画を作成できることとなって、ほぼ採択されることが間違いないと思われます。

以上のようなポイントを押さえて、採点者の多くを占めている中小企業診断士の先生方の思考ロジックに沿った事業計画書の策定を心がけましょう。

そうすることで、採点者である中小企業診断士の先生方が読みやすくなって、事業計画書に記載された事業再構築のロジックがスッと頭の中に入っていき、得点が付きやすいということになるのです。

中小企業診断士については、下記の記事を参考にされてください。

強み、弱み、機会、脅威に関するSWOT分析については、下記の記事を参考にされてください。

どのような環境下で採点を行っているかを想像すること

中小企業診断士の先生方を中心とする採点者の先生方は、非常に短い期間で数多くの事業計画書に目を通さねばなりません。
伝え聞くところによると、ある先生などは申請の締め切り日から1か月の間に100件近い事業計画書の採点を実施しているそうです。

15ページにわたる事業計画書をしっかりと目通しをして、事業再構築の可能性、戦略の妥当性等を検討するにはあまりにも時間が制約されている採点環境であることは、応募する事業者はしっかりと認識するべきでしょう。

そういった採点環境の中で、採点者の先生方に負荷をかけることなく事業計画書をしっかりと読んでいただいて、理解していただくためには、「第6回事業再構築補助金 公募要領」31ページ以降に記載してある「10.事業計画作成における注意事項」に記載されている、「必要記載事項」の順番に事業計画書を策定しておくことがとても大事になります。

採点者の先生方も当然に、「公募要領」は熟読されて、これに従って採点基準を設けているはずであり、事業計画書の記載ロジックがおのずから頭の中にインストールされています。

したがって、この記載順に事業計画書を作り込むことで、採点者はストレスを抱えることなく読み込むことができ、彼ら採点者の理解を助けることとなって、事業再構築のロジックが良く理解していただけることにつながるのです。

また、高いストレス環境にさらされている採点者が疲れた状態でも、採点項目や加点項目に合致していることが瞬時に判断できるように、言葉や文言の過度な言い換えは極力避けて、公募要領に記載されている言葉や文言をそのまま使用したり、視覚的に瞬時に判断しやすい図などで見やすい資料に仕上げることも高得点を狙う上で大事なポイントになります。

第6回事業再構築補助金公募要領の概要

第6回事業再構築補助金の概要事業再構築補助金第6回の公募が2022年3月28日に発表となりましたが、そこでは、売上高要件の緩和や、補助上限額の見直しなどとともに、新設枠の詳細についても公表され、第5回目までとは大きく変わっている点も多く存在します。
以下では、中小企業の大半が申請する通常枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠の3つについて、第6回公募要領で前回までと大きく変わった重要なポイントについて見ていくことにします。

事業類型の廃止と新設

第6回事業再構築補助金の類型

第6回事業再構築補助金においては、前回から事業類型が変わっています。
「緊急事態宣言特別枠」と「卒業枠・V字回復枠」が廃止され、各々「回復・再生応援枠」と「グリーン成長枠」に置き換わった形になっています。
「通常枠」、「最低賃金枠」、「大規模賃金引上枠」は引き続き事業類型として踏襲されており、全部で5つの事業類型がそうていさいます。

通常枠

通常枠は、新分野展開や業態転換等の取り組みを通じた規模の拡大等を目指す事業者の新たな挑戦を支援する枠であり、ほとんどの中堅・中小企業がこの枠で申請されています。

通常枠の補助額と要件等

第5回までと比して、売上高要件が緩和され、わかりやすくなりました。

回復・再生応援枠

回復・再生応援枠とは、新型コロナウイルス感染症による影響により、通常枠よりも更に売上が減少してしまっている企業が対象となる新設枠となりますので、通常枠と比べて売上高減少要件に加えて回復・再生要件が必要となります(下記参照)。
また回復・再生応援枠に申請されて、不採択となった事業者については、通常枠で再審査が行われ、さらに、回復・再生応援枠では、主要な設備の変更は求められません

回復再生支援枠の補助額と要件等

事業再生の必要性が高く、しかしながら資金繰りが厳しく投資資金の調達が困難な事業者にとっては非常に朗報となる新しい申請枠であり、中小企業活性化協議会(旧中小企業再生支援協議会または経営改善センター)のスキームに乗せながら、第6回以降の事業再構築補助金を活用することで、さらに再生への軌道に乗せやすくなるものと思われます。

最低賃金枠

最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援するものです。
2021年10月に全国一律28円の最低賃金の引き上げが実施されましたが、その影響受け賃金アップの原資の確保が厳しい事業者向けの申請枠となります。
売上高減少要件に加えて、最低賃金要件と最賃売上高減少要件が課されることになります。

最低賃金枠の補助額と要件等

 

事業計画作成における注意事項

事業計画作成における注意事項ここでは、事業計画書を策定する際の具体的なポイントを記載しておきます。

「公募要領」の31ページ以降に記載の「10.事業計画作成における注意事項」には、下記のように記載されています。

1:補助事業の具体的取組内容

① 現在の事業の状況、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性、事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)、今回の補助事業で実施する新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組について具体的に記載してください。 事業実施期間内に投資する建物の建設・改修等の予定、機械装置等の型番、取得時期や技 術の導入や専門家の助言、研修等の時期についても、可能な限り詳細なスケジュールを記載 してください。

※必要に応じて、図表や写真等を用いて、具体的に記載してください。

ここで大切なことは、現在の事業の現状を数値やグラフを用いて業況が芳しくない説明した後、強み、弱み、機会、脅威をしっかりと記述し、環境分析に絡めて現在の事業の今後の趨勢が非常に厳しいことをロジカルに説明し、新事業等に取り組んで事業再構築を図る必要性が非常に高いことをロジカルに記述することです。

そして、その新事業等は自社保有の経営資源等から派生する強みを全く無視したものではなく、そういった強みを用いたシナジー効果の期待できる事業であることが、今回の補助金の獲得にはとても大切になることは先に書いた通りです。

図やグラフを積極的に用いて、言いたいことが瞬時に伝わる工夫はとても大事なことも先に説明した通りになります。

③ 補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に記載してください。

ここでは、他社との差別化、既存事業との差別化を求められていますので、ポジショニング・マップを用いて視覚的に差別化できることを訴求することが必要になります。

差別化とは、「提供価値の差別化」に他なりませんので、他社が提供している価値と当社の新事業の提供する価値の違いを明確に記述する必要があります。

また、それが本当に顧客にとって価値と言えるのかを、たとえば顧客のインサイト仮説を把握して、そのインサイトに対する価値提案であることをロジカルに説得する必要があります。

ポジショニング・マップを作成した時に空いているポジションがあって、その空きポジションを狙って差別化を行うというロジックはよく見かけますが、本当にその空きポジションには顕在ニーズまたは潜在ニーズがあるのかを説得力のあるロジックで説明する必要があります。
ニーズがないから空きポジションになっていることはよくあることだからです。

基本的なことですが、ポジショニング・マップを作成する際の2軸は顧客の購買決定基準(KBF=Key Buying Factor)を用いないことには、採点者から一瞬ではじかれてしまいますので注意が必要です。

また、ここでは「…競争力強化が実現するか」とあるように、競争することを前提に書かれていますが、競争をしないように全く異なる新たな商品・サービスのカテゴリーを作ってしまうことも勿論OKだと解釈するべきでしょう。

ポジショニングについては、下記の記事を参考にされてください。

消費者インサイトについては、下記の記事を参考にされてください。

2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

① 本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等について、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や課題やリスクとその解決方法などを記載してください。

ここではターゲットを明確化できていること、そのターゲットの市場規模を数値化して記載することが求められており、続いて、そのターゲットに最終的に購買してもらうための提供する商品・サービスの価値(価格と機能・便益のバランス)について記述することが求められます。

全く新しい商品コンセプトを持った競合先がいない市場であれば、価格付けは比較的自由ですが、そうでなくて既存の競合先が存在する市場では、価格と機能・便益のバランスにおける優位性をしっかりと記述することが求められます。

また、意外と記載漏れになりそうな項目が、新事業における課題やリスクの検討です。

新しい事業を開始することになるので、当然将来的には現時点で予見できないような不測の事態が起こりえますが、現時点で新事業の課題やリスクを複数シナリオから検討しておくことは、事業の成功においてとても重要なポイントになります。

ここで記載を求められている課題やリスクの検討をその解決方法をロジカルに記載しておくことが必要です。
この箇所の記載漏れ、もしくは記載が不十分であるという理由から、失点することは意外に多いように思います。

以上が、「公募要領」の31ページ以降に記載の「10.事業計画作成における注意事項」における具体的な注意点になります。

事業再構築の必要性から、新事業の成功確度の高さについて、採点者の先生方を説得するための事業計画書なので、論理展開には注意をして記載するように心がけましょう。

ターゲティングについては、下記の記事を参考にされてください。

コンセプトについては、下記の記事を参考にされてください。

認定支援機関の中でどの士業に依頼するべきか

認定支援機関の中でどの士業に依頼するべきか事業再構築補助金の申請には、認定支援機関の助言等が必須とされていますので、誰を助言者として選ぶかは、補助金の獲得に向けて大きなポイントになります。

結論から言えば、採点者が中小企業診断士の先生が多いという現状を踏まえれば、経験豊富な中小企業診断士の先生に依頼するのが、認定支援機関の選定においては間違いが少なかろうと思われます。
採点者の多くを占めている中小企業診断士の先生の思考ロジックを最も理解できるのは、同じ中小企業診断士の先生だからです。

他には、我々のようなマーケティングや戦略論を理解して実務で使いこなしている公認会計士や、事業再生を専門に扱っている我々のような専門家でも問題ありません。

ただし、認定支援機関の多くを占める税理士は、こういったビジネスや経営に関する知見はほぼゼロの先生が大半なので、今回の補助金申請の助言者として選定することは避けたほうが無難です。銀行や信用金庫も同様に避けるべきでしょう。

弊社では、第1回目、または第2回目の公募で採択されなかった経営者の方、第3回目の公募に向け準備中の方からの相談を受け付けておりますので、事業再構築補助金の採択の確度を上げたい方はご相談ください。

大阪、京都、兵庫を中心に事業再構築補助金の採択のための事業計画書策定のサポートを行っておりますが、全国どこからでも相談・助言・計画策定補助等のコンサルティング・サービスには応じておりますので、お気軽にお問い合わせください。弊社は、着手金10万円、成功報酬は補助額の7%でお受けしております。

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事業再生を相談するべき専門家の選び方については、下記の記事を参考にされてください。