2ステップ・マーケティングとは?【事業再生の現場でも大活躍!】

2ステップ・マーケティングという集客方法が、ダイレクト・マーケティングの顧客獲得に使われるという話なんだけれども、どういった手法なのかを詳しく知りたい。

ダイレクト・マーケティングに取組んでおられる中堅・中小企業は多いことと思いますが、新規顧客の獲得には苦労されていて、集客に関する悩みをお持ちの経営者も多いのではないでしょうか。

この記事を読むことで、2ステップ・マーケティングの手法がよく理解でき、ダイレクト・マーケティングを使ってビジネスを展開しているならば、新規顧客の獲得数が大きく伸びる可能性があります。

本記事は、中堅・中小企業の事業再生に取組んで20年以上、200社以上の再生案件に関与して、マーケティングと管理会計と組織再編の力で再生に導いてきた事業再生のプロである公認会計士が書きました。

2ステップ・マーケティングとは何か?

2ステップ・マーケティングとは何か?結論から書きますと、現代のダイレクト・マーケティングにおける集客は、伝統的な1ステップ・マーケティングではなく、2ステップ・マーケティングによるべきであるということです。

ダイレクト・マーケティングの戦略立案プロセスは、アクイジション(顧客獲得)フェーズとリテンション(顧客維持)フェーズの2つのフェーズからなります。
そして、最初のフェーズの新規顧客獲得の段階で、まずサンプル購入をしてもらってから本品購入に向けて動いてもらうのか、それとも、いきなりハードルが高い本品購入をしてもらうのかを決めることは、非常に大きな課題です。

最初からいきなりハードルが高い本品購入を仕掛けるマーケティング手法を1ステップ・マーケティングといい、まずはサンプル等を入手してもらって、その品質等に納得してもらった見込客に本品購入を勧めるマーケティング手法を2ステップ・マーケティングといいます。

2ステップマーケティングの図解

つまり、2ステップ・マーケティングとは、商品を購入してもらうために、ユーザーに2段階(以上)の段階を踏んでもらうマーケティング手法なのです。

最初のステップは、無料のサンプルや、容量の小さな廉価な商品など、すぐ試すことができるハードルの低いもの(フロント・エンド商品)を設定し、少しでも気になる人に気軽に体験してもらい商品の品質等を確認してもらって、次のステップで売りたい本商品(バックエンド商品)の購入に至ってもらうというのが、2ステップ・マーケティングの基本的な仕組みです。

ダイレクト・レスポンス広告については、下記の記事を参考にされてください。

2ステップ・マーケティングの具体例

2ステップ・マーケティングの具体例私たちは日々、2ステップ・マーケティングを利用した商品やサービスに触れているものですが、こうやって意識してみてみないとなかなか気づくものではないのかもしれません。

たとえば、週に何度かは買い物に出向くスーパー。
そこでは生鮮食料品から嗜好品に至るまであらゆる商品が売られていますが、ふっと足を止めてのぞき込んでしまうのが、試食コーナーです。
シズル感たっぷりのジュージューお肉を焼く音や匂いに導かれて、ついつい試食品に手を伸ばしてしまう方も多いのではないでしょうか。

そして、試食で口にした無添加ソーセージの美味しさにびっくりして、買う予定がなかった無添加ソーセージを買ってしまったような経験は誰にもあるでしょう。
これこそまさに2ステップ・マーケティングですね。

ジュージューというシズル感のある音と、空腹には耐え難い芳醇な匂いを食品売場ににたちこめさせて、夕飯の買い物に来た主婦を、試食コーナーへと誘導し、ニーズとウォンツの高まった潜在顧客を集めます。

ソーセージを焼いている売り子さんは、このソーセージの持つUSP(=Unique Selling Proposition:商品が持つ独自の強み)をアピールして、そんじょそこらのソーセージとは訳が違うことをアピールします。
そして、焼けたソーセージのシズル感と売り子のお母さんの上手な説明に我慢できなくなって、たまらず試食用のソーセージに手を出した主婦の方々は、晴れて見込客へとステップ・アップしたわけです。

試食を終えた主婦の方々に対して、売り子のお母さんは、いまだけ10%割引きだよと教えてくれます。
この言葉に背中を押された主婦の方々は我も我もとソーセージの入った袋を手に取って買い物かごへと放り投げていきます。

何と見事な、2ステップ・マーケティングを駆使する売り子のお母さんでしょう!
いつも近所のスーパーで試食販売に奮闘する売り子のお母さんに、僕はいつも羨望の眼差しで見入ってしまうのです。

USP(=Unique Selling Proposition:商品が持つ独自の強み)については、下記の記事を参考にされてください。

たとえば、デジタル漫画。
漫画が大好きな僕は、子供の頃から少年ジャンプと少年マガジンを毎週読むことが日課となっていたほどです。

最近では漫画本を買うことも勿論あるのですが、デジタルでしか展開されていない漫画も多くあって、移動時間の時などにスマホを取り出して、デジタル漫画に没頭しています。

リターゲット広告だったと思うのですが、スマホにデジタル漫画への会員登録を勧める広告に出くわしてしまったので、軽い気持ちで会員登録をすると、無料で読める漫画をいくつかお勧めしてくれました。

どのくらいのレベルの漫画なのだろう、無料だから大したことないだろうなと思いながら読み始めると、滅茶苦茶レベルが高い!これ本当に無料でいいんですかみたいなレベルなわけです。

その面白さに感動した僕は、有料で売られている同じ漫画家の作品を購入しては読みまくる日々が始まってしまったというわけです。
しかも、漫画が小さく分割されているので1話当たり150円とかで買えてしまいますから、ものすごくハードルが低いわけです。

リターゲット広告に追いかけられても、漫画好きなら会員登録くらいはするだろうけども、お金を払ってまで無名の漫画家の漫画を購入しようとは思わないはずです。
漫画好きであればあるほど、漫画には詳しいので、満足できる漫画のレベルは高くなっているからですね。
なので、いきなり有料漫画を買ってもらう1ステップ・マーケティングはとてもハードルが高いわけです。

そこで、会員登録をしたら無料で読める漫画をお勧めして、一度読んでもらって無名漫画家の描く漫画のレベルの高さを味わってもらってから、有料漫画を買って読んでもらうという2ステップ・マーケティングは非常に効果が高いわけです。
無料漫画の面白さにびっくりして感動するから、ついつい有料漫画を買ってしまうのです。

このように、僕らの日常生活のいろんな場面で、自分では気付かないことが多いと思いますが、2ステップ・マーケティングを採用している商品やサービスはとても多いのです。

1ステップ・マーケティングが廃れた理由

1ステップ・マーケティングが廃れた理由現代では2ステップ・マーケティングが主流ですが、昔は1ステップ・マーケティングによってダイレクト・マーケティングは展開されていました。
ところが時代の変遷とともに、1ステップ・マーケティングは時代に合わなくなっていきました。

ダイレクト・マーケティングは、潜在顧客のうちニーズやウォンツの高まった層にターゲティングをしますが、そういったターゲットであっても、出合頭に広告をぶつけて売りたい商品やサービスをいきなり売り込もうとする姿勢に違和感を感じる生活者が多くなったことも大きな原因でしょう。

昔のように情報が希少で貴重であった時代には、広告であってもたいそう歓迎されましたが、情報過多の現代においては、自分が求めていない情報に対しては嫌悪感しか抱かない人が若者を中心にとても多くなっています。
そんな人々に対して出合頭に広告をぶつけて商品の購入を促してもスルーされるのがオチでしょう。

また、出合頭の広告でいきなり売りたい本商品を買ってもらうためには、商品やサービスの効能等を過大表示せざるを得ないことも、営業ノルマや予算達成必達という文脈の中では、ついつい犯してしまいがちです。

景品表示法違反に走ったり、薬事法に違反する効能の訴求ということも広く行われてしまったのも、1ステップで売りたい本商品を無理に販売するという、売り方自体が抱えていた問題に起因することも大きかったのだろうと思われます。

そのような中で、ダイレクト・マーケティングによって販売された化粧品や健康食品等を中心として、その強引な販売手法が社会問題化したことを受けて、監督当局の監視の目も厳しくなっているのが昨今の状況なのです。

広告が嫌われている時代に、振り向きざまに商品を売りつける1ステップ・マーケティングの手法を使っても、見込客、さらには新規顧客を獲得することは非常に難しくなっているのです。

経営環境の変化については、下記の記事を参考にされてください。

2ステップ・マーケティングが利用する心理的効果

2ステップ・マーケティングが利用する心理的効果

ザイオンス効果(単純接触効果)

ザイオンス効果(単純接触効果)とは、同じ人やモノに対する接触回数が増えることで、その人やモノに対する好感度が増していくという心理的効果をいいます。
これは人と人の接触だけではなく、商品の体験や見聞きしたもの全てが対象になります。

1968年にアメリカの著名な社会心理学者であるロバート・ポレスワ・ザイオンスが明らかにしたものです。

ネット・ショッピングはすべて楽天で済ませていた人が、テレビでAmazonのCMを毎日目にするにつれて、Amazonに対する好感度が徐々に上がって、ついにはAmazonのアカウントを作って、そこで買い物を始めてしまったというようなことは、ザイオンス効果で説明ができるものです。

ダイレクト・マーケティングにおける2ステップ・マーケティングは、本商品の購入前に、無料サンプルなどの提供を受けるという余分なステップを踏ませることで、ブランドとの単純接触回数を増やし、ブランドに対する好感を醸成しやすくして、本品購入のハードルを下げる効果を持つものです。

保有効果

保有効果とは、自分が所有しているものに対して高い価値をつけるようになって、手放したがらないようになるという心理的効果をいいます。
「授かり効果」と呼ばれることもあります。
今では行動経済学の大家となったリチャード・H・セイラ―によって、当時ロチェスター大学の大学院生だった1970年代に提唱されたものです。

保有効果は、自分が一度手にしてしまった物に対しては愛着を感じるようになることや、手に入れるよりも失うかもしれないことを重要に感じるという人間の心理特性から説明ができるものです。

保有効果によれば、手にしたモノを使用することによって得られた体験によって価値が向上するのではなく、ただただ所有しているという事実だけでユーザー頭の中ではその商品価値が上がることになるので、2ステップ・マーケティングによる無償サンプル等のフロント商品の提供は、次の本商品の購入に繋がりやすいということができます。

一貫性の法則

一貫性の法則とは、人間は自分の発言や行動に一貫性を持ちたがるという法則であり、一度自分で決めたことをやり続ける、または信じ続けようとするという心理的効果をいいます。

一貫性の法則が生じる理由は、選択の機会を減らすためや、嘘をつく人にはなりたくないという人間の心理に求められます。

前者は、選択するという行為が実は人間には精神的負担を強いるものであるので、人は無意識に自分の行動をパターン化して一貫性を持たせて精神的なストレスから逃避しているというものです。
アップルの創業者のスティーブ・ジョブスは毎日同じ黒のタートル・ネックのセーターとジーンズで過ごしていたのも一貫性の法則の事例でしょう。

また、後者は、人間は本来、「理性的な人に思われたい」という根源的な欲求を持つものなので、一度口にしたことは反故にすることなく、嘘とならないようにしようと努力するというものです。
毎日ブログを更新するぞと宣言してしまうと、一貫性の法則が働いて、旅に出ようが、風邪をひこうが毎日ブログを更新し続けることになります。

2ステップ・マーケティングの最初のステップでサンプル商品などを入手してしまうと、一貫性の法則によって本商品を購入しないことに対して心理的に違和感が生じてしまうので、本商品の購入へと至る可能性が高まるわけです。

以上のような、心理学の知見に支えられているのが、2ステップ・マーケティングになります。

2ステップ・マーケティングのメリットとデメリット

2ステップ・マーケティングのメリットとデメリット

メリット

①ザイオンス効果(単純接触効果)による信頼度のアップ
無償サンプル等のフロント・エンド商品を一度体験させてしまうことで、次回以降のDMやチラシなどに対する心理的な抵抗感が少なくなり、反応率が上がるので、本商品の購入に至りやすいということが言えます。

②申込の心理的ハードルが低いので申し込みやすい
見込客を獲得するための初回申込者へのオファーが「無料サンプル」や「1,000円小分け商品」となっているため、本商品をいきなり購入することと比べると、申込みのハードルが圧倒的に低いので、申込しやすくなります。

③ターゲティングを広く設定できる
1ステップマーケティングの場合、ニーズやウォンツが顕在化した層しか申込まないのに対し、2ステップマーケティングであれば、ニーズやウォンツの顕在化した潜在顧客に一部だけでなく、ニーズやウォンツの顕在化していない潜在層に対しても、広くアプロ―チができ、それを顕在化させることもある程度可能になります。

④広告の過大表現の必要がない
1ステップマーケティングに比べ、1回目のアプローチでコンバージョン(受注)させる必要がないので、必要以上に煽った表現をしたり、法律に違反するような表現を使う必要もないので、後々にクレームが発生するという事態には発展しにくいことになります。

⑤CPO(=Cost Per-Order:受注1件当たりの費用)の抑制効果
2ステップ・マーケティングでは、CPOを抑制するメリットがあります。2ステップ・マーケティングでは、無償サンプル等で商品の品質等に納得した見込客が、本商品を購入して新規顧客へとステップ・アップし、さらにリピート顧客へ移行する割合が高くなるので、自然とCPOを抑制する結果につながります。

⑥LTV(=Life Time Value:顧客生涯価値)の向上につながる
2ステップ・マーケティングでは、1ステップ・マーケティングに比べ、LTVが高い傾向があります。
これは、実際に商品を試して納得した上で本購入をしてもらうことで、リピート率も高まる結果、商品やブランドへのロイヤリティが高まるためであると考えられています。

⑦ブランド力の醸成にも効果を発揮する
ユーザーに対して振り向きざまに商品の購入を迫ることがなく、じっくりと商品に向きあう時間のある2ステップ・マーケティングの手法は、ブランドに対する好感度や信頼感を高めることに繋がるので、ブランド・ロイヤリティが高まることにつながります。
ユーザーの気持ちに寄り添ったこうした手法は、1ステップ・マーケティングに比べると、ブランドに対する好感を醸成しやすく、結果としてブランディングを促す効果が期待できます。

⑧見込顧客のリストが入手できる
無償サンプル等のフロント・エンド商品を体験した見込顧客のリストを手に入れることができます。
この顧客情報いを利用することによって、ブランドや商品に対して好印象を持った見込顧客に対して、継続的なアプローチが可能になり、顧客との長期的な関係を構築することが可能になります。

⑨効果検証が回しやすく、スピードを持ってオペレーションの改善を実施できる
ハードルの高いバック・エンド商品のみの場合は、効果測定にばらつきが生じやすく、効果検証が行いにくい結果、オペレーションの改善スピードを上げることは難しいのですが、ハードルが大きく低下するフロント・エンド商品を経由することによって、計測ポイントの増加とサンプル数の増加が実現でき、ポイント毎の達成率を計測しやすくなり、効果検証が回しやすく、オペレーションの改善スピードが上がることになります。

デメリット

①サンプル品等の無償提供品のコストがかかる
2ステップ・マーケティングは、無償サンプル等のフロント・エンド商品のコストをバックエンドの本商品の利益でカバーすることを念頭に置いているので、ファースト・ステップだけを見ればコストがかかって赤字になることが多い。

ここだけを見るとデメリットのように見えますが、本来2ステップ・マーケティングは最初のステップで提供する無償サンプル等の経費は、本商品の利益でカバーすることを前提に組み立てられているので、正確には経費ではなく投資と考えるべきものです。

②仕組みづくりにコストがかかる
2ステップマーケティングを始める場合、ある程度の事前準備に手間やコストがかかることになります。

また、自社のビジネスにマッチする仕組みに仕上げていくことにも、PDCAを回して効果検証を継続する必要があり、時間とコストをかける必要があります。

③すべての商材で可能なわけではない
2ステップ・マーケティングは、顧客単価が極端に低い商品、1度の購入でもう購入する必要がない商品、この2点を併せ持った商品には向かないものですので、すべての商材で2ステップ・マーケティングが可能なわけではありません。

以上、2ステップ・マーケティングのメリットとデメリットをまとめてみましたが、明らかにメリットのほうが多く、デメリットとして記載したものは、本質的にはデメリットと呼べるものではなく、メリットを享受するために当然に乗り越えるべきものというくらいの位置づけにしか過ぎないものばかりと言えると思います。

このようなことから、ダイレクト・マーケティングがあてはまるビジネスであれば、2ステップ・マーケティングを積極的に導入することを考えるべきでしょう。

ダイレクト・マーケティングの定義、特徴等については、下記の記事を参考にされてください。

ダイレクト・マーケティングの戦略策定フレームワークについては、下記の記事を参考にされてください。

マーケティング思考については、下記の記事を参考にされてください。

事業再生と2ステップ・マーケティング

事業再生と2ステップ・マーケティング私はこれまで多くの事業再生のフェーズに落ち込んだ企業を見てきましたが、その中でダイレクト寄りのビジネスを展開している企業の中で、2ステップ・マーケティングを当初より導入している企業は皆無でした。

事業再生のフェーズに落ち込んでいる企業ですので、ダイレクト・マーケティングが上手く機能している会社などはほぼなくて、ダイレクト・マーケティングの各々のフェーズが穴だらけである会社ばかりでした。

時代は一昔前とは大きく変わって、生活者の情報に対するセンスが大きく変化した昨今では、もはや1ステップ・マーケティングでは限界があるにもかかわらず、それに固執するばかりで、2ステップ・マーケティングの導入を進言しても聞き入れてもらえない企業も多くありました。

その理由の多くが、事業再生のフェーズで資金繰りが苦しい時に無償サンプルなどの経費をかけるわけにはいかないというもので、こちらがいくらそれは経費ではなくて投資なのですという説明をしても納得してもらえない歯がゆさを感じたことは一度や二度ではありませんでした。

再建計画書の内容を銀行に説明する中でも、ダイレクト・マーケティングを効率よくかつ効果的に運用するために2ステップ・マーケティングを導入して見込客を集めることに対して投資を行いたいので、ニューマネーの投入をお願いしても、銀行員の理解が進まない結果、融資が下りなかったことも過去にはありました。

銀行員を初めとしてなぜ日本のビジネスマンには、マーケティングの素養がないのだろうとびっくりしたことも数え切れませんが、これが日本の中堅・中小企業の事業再生の現場の実態なのです。

2ステップ・マーケティングに対する関係者の理解が進まない案件では、従来通りのハードルの高い1ステップ・マーケティングを踏襲しながらも、商品の発注ロットの問題から不良在庫が発生したような場合には、それを使いつつ一時的に2ステップ・マーケティングを試みたこともありました。

しかし、基本的にはそれ以外の穴の箇所に注力して収益力の回復に努めざるを得ないわけですが、やはり限界というものはあって、こちらが思うよなレベルにまで収益力の回復を果たせた企業は残念ながらほぼ皆無でした。

一方、2ステップ・マーケティングの必要性に関する当方の説明に真摯に聞き入ってくれて、導入して頂いた企業の中には、驚くほどの収益力の回復を果たせた事例もあります。
破綻懸念先から早期に要注意先へと大きくランク・アップ出来た(経営改善計画書のランク・アップ要件を満たしたものではなく、収益性の回復によってのランク・アップ)企業の事例もいくつかあります。

以上のような私の経験から言えることは、ダイレクト・マーケティングを志向するビジネスでは、2ステップ・マーケティングを導入したほうがはるかに改善のスピードが高いということです。

見込客の獲得数、新規顧客の獲得数、そこからのリピーター化、ロイヤル顧客化も大きな差がつくものだと断言できますので、事業再生のフェーズにある企業の経営者の方は、ダイレクト・マーケティングの各プロセスで穴がないかの検証を行って、2ステップ・マーケティングの導入をご検討いただくことが賢明であると思います。

破綻懸念先のランクアップ手法については、下記の記事を参考にされてください。

企業再生のコンサルタントについては、下記の記事を参考にされてください。

事業再生コンサルティングについては、下記の記事を参考にされてください。